赤ちゃんは37℃の子宮の中から、25〜26℃前後の分娩室へぬれたまま裸で産まれます。急に全身が冷えると赤ちゃんの全身の血管は収縮し血流が悪化します。大人が寒い日に手が白くなって、冷たくなるのと同じ現象です。

例えば腸への血流が減少すると腸の蠕動運動が弱くなり、赤ちゃんの嘔吐の一因となります。このことは低血糖、脱水、多呼吸など新生児にはあってはならない状態を作ってしまいます。そのため、当院では分娩室の温度をできるだけ新生児に優しい温度へ上げます。お母さんとのスキンシップが終了したら暖めた保育器の中でしばらく赤ちゃんをお預かりします。その後、器内の温度を徐々に下げ通常の生活温度へ慣らしていきます。

生後、十分な体温管理のできた赤ちゃんは腸の運動も活発で産まれて約2〜3時間後には初めての糖水を飲むことができます。
人間にとって、特に新生児にとって血糖は脳の発達という点で非常に重要なファクターです。血糖の低下を放置することは、全身けいれんを招いたり、最も重要なことは精神発達にも影響します。